2012年11月3日土曜日

夢想家くん

ユーロに「白夜」を観に行って、さっさと帰って来て図書館に行くつもりだった。

しかし、フィルメックスなどの前売り券を買ったり、ギフトショップにアドヴェントカレンダーを見に行ったり(気に入ったのがなくて東急の伊東屋にも行ったがやはり見つからず)していたら、たっぷり夕方までかかってしまった。
意外と品薄なアドヴェントカレンダー。

「白夜」は混んでいた。
1970年代初頭のパリが舞台になっている。
運河ではなくてセーヌ川。
主人公の夢想家は割とハンサムである。
主人公もヒロインも映画出演は初めての、ともに親が作家という素人だが、若々しく美しい。
ただ、この映画だと、ヒロインは自分勝手でいけない女って感じだった。
もちろん、原作を読んで、そういう女性だとの感想を持つ人(特に男性)は多いのだが、単に二人とも若いからなのでは?
至らないんですよ。

ヴィスコンティ、プィリエフ、ブレッソンと「白夜」を観たけれど、一番ぴったりきたのはご当地のプィリエフだった。
「シベリア物語」の監督さんなので、妙にミュージカルがかって明るいんですよ。
(白夜だし。)
フランスやイタリアだと、やっぱり夜は暗い。
ヴィスコンティのだと雪まで降るし。

それに、プィリエフの夢想家くんは一番「この先大丈夫なのか?」と案じられる雰囲気で、原作にあっている。
(マストロヤンニの夢想家くんは結構社交的で、全く心配なさそうなのである。パリの夢想家くんは危なすぎて却って芸術家として何とかやっていけそうな気がする。)

ご当地といっても実はペテルブルグではなくモスクワで撮ったらしく、橋とか書き割りだったけれど、現実離れした様子を象徴しているようで違和感はなかった。
昨年旅行した時に、ドストエフスキーゆかりの地だというので、あのあたりの運河を散歩してみた。
あんな感じだった、と言えると思う。
グリボエドフ運河(旧エカテリーナ運河)のコクーシキン橋
センナヤ広場よりサドーヴァヤ通りから運河側に入ってグリボエドフ運河通り沿いに散歩してみた。

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