2010年10月16日土曜日

孝行息子

カザフスタン出身ドイツ育ちのミランのMF、アレクサンドル・メルケルのインタビュー記事
「自分のことはドイツ人と言うよりロシア人だと感じている」
の中で、自分の関心のある部分の訳を「12の椅子」に、4回に分けて載せました。

しかしまあ、何故にこの子はここまでロシア好きなのだろうか??

カザフスタン代表を選ばなかった理由はわかる。
王様プレイはできても、ユーロやワールドカップの本大会に出られる可能性がまずないから。

でもドイツユース代表に出ていた選手が、多少落ち目とはいえセリエAの有名クラブで期待の若手として名前を挙げられているような人が、代表に呼ばれるのをお断りするなんて。
勿体ない話ですね、普通に考えれば。

ドイツで何か嫌な目に遭ったのか、よっぽど??

26 октября 2009 07:54
Русский немец подобрался к основе ≪Милана≫

このРусский немец って、何と訳したらいいのだろう?
「ロシア系ドイツ人」、ではない。
イリーナ・コルシュノフ(ドイツの児童文学者)やアレクサンダー・シュモレル(反ナチスグループ「白バラ」メンバー、母親がロシア人)のような人だったら、「ロシア系ドイツ人」と言ってよいかもしれないけれど、アレクサンドル・メルケルの場合、祖母はロシア人だとはいうものの、民族的にはドイツ人なのです。
「ロシア出身のドイツ人」でもないのだ。
彼が生まれたのはカザフスタンのアルマアタ(当時)。
ロシアではない。ソ連であっても。
(なお、ワールドカップでは特に勝負強いサッカードイツ代表のミロスラフ・クローゼは、ポーランド系ドイツ人というよりも、ポーランド出身(シレジア/シュレージエン)のドイツ人選手です。)

さらに彼の言うところによれば、「6歳の時にドイツに移住して以来、ロシアには一回も行っていない」。
カザフに住んでいた頃はロシアに行っていたということなのかと思えるが。

何世紀にもわたって「東方植民」してきた地からドイツ「本国」に移住した人々は、ときにトルコ系移民2世、3世(サッカードイツ代表で言えばメスト・エジルとか)などよりも、自分たちの方がよっぽど「ドイツ人」なのだ、豊かなドイツの果実を得て当然なのだ(今まで外地で苦労させられてきたのだから)という意識を持っていたりするという。
ところが、ドイツでは一人前のドイツ人として扱ってもらえない、厄介者扱いされたりする、ということもある。
そういった場合・・・。

アレクサンドル・メルケル君、もしかしてロシアに過大な期待をしているのではないか、と危惧してしまいます。

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