2013年5月2日木曜日

エカテリーナになれなかった王妃

デンマークという国は映画界ではなかなか健闘している。
でも、デンマークの歴史についてはよく知らなかった。

「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のヒロイン、デンマーク王妃カロリーネ・マティルデはイギリス王ジョージ2世の孫、ジョージ3世の妹、ヴィクトリア女王の大叔母。
夫となったデンマーク王クリスチャン7世は奇行が目立つ人で、世継ぎが出来た後は夫婦関係は冷えており、王妃は王の侍医として現れた自由思想を持つドイツ人(平民)と禁断の恋に陥り、一時はこの侍医が実権を握って、進歩的な改革に着手して大量の法律を発布するのだが、どうやら行きあたりばったりの面が強かったらしく財政的に行き詰まっていき、保守派のクーデターによって挫折する。二人の恋も最悪の結果に終わる。(としっかりネタバレしているが、実話なので勘弁していただこう。)

時代から言っても、エカチェリーナ2世の即位とカロリーネ・マティルデが王妃となったのは2年違いであり、同時代の人だ。
啓蒙思想を実践するなら、断固として、夫を追い落としてでも自ら実権を握るくらいでなければいけなかったのだろう。

侍医と王・王妃の関係は、ニコライ二世・アレクサンドラ・ラスプーチンのようでもある。

王妃役は先日の「アンナ・カレーニナ」でキティ役だった人。
セルゲイ・ボドロフ作品にも出演しているそうだ(しかも、今年日本でも公開予定だ。)
侍医のヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ役はマッツ・ミケルセン(マス・ミケルセン)。
最近の北欧映画界きってのスターで、よくみかける。「誰がため」で観たのが最初だった。「シャネル&ストラヴィンスキー」ではロシア語をしゃべってピアノも弾いていた(かなり苦労したらしい)。
さすがに渋くていい男です。(が、現実社会ではこの手の男性の良さは私は理解できずスルーしてしまうのだろうな、ついつい若い人に目が行ってしまうのだ。)

あと、ル・シネマでは、もうすぐジェレミー・レニエ映画をやることがわかった。
早速前売り券を買ったのだった。

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