2012年1月4日水曜日

今年限りで

アムネスティが販売していた安野光雅さんのカードが好きだった。
今はアムネスティでは売り出していないようだ(在庫品のみ扱っている)。

毎年紀伊国屋画廊で1月3日から「安野光雅展」が催され、ほぼ毎回初日に観に行っていたのだが、そして今年も初日に観に行ったのだが、それも今回が最後だということがわかった。

というのは、紀伊国屋画廊が今年限りで閉鎖になるからだとのこと。
今後東京で定期的に安野光雅展をするところがあるかどうかは未定なのだそうだ。
(名乗り出るところがあるような気もするが)
それを聞いたお客さんたち(私もです)はひどくショックを受けていた。

さしあたり、今年の2月25日ー3月25日には板橋区立美術館で安野光雅の絵本展がある。

会場では新作を中心に、書籍・カレンダー・クリアホルダーなどのグッズが売られている。
私が買ったのは『天は人の上に人をつくらず』。
これは絵は全然ない。
安野さんの本では珍しいのではないか?
絵だけでなく、文筆家としてもすばらしい。
福沢諭吉、キング牧師、ローザ・パークス、エイブラハム・リンカーン、ガンジーについて、あるいは人権なかんずく平等権について、天賦のそれを実際に我がものとするための非暴力の闘いについて、ふりがなつきの文章で丁寧に解説している。
“むずかしいことをやさしく”という井上ひさし風の平易な文章を心がけた努力が偲ばれる。
福沢の思想については現代では相当批判もされているし、私自身の考えでも他の人々と同列にはし難いという気もするが、安野さんはこの言葉に涙が出るほど感激したそうで、このことばがまず根底にあってこの本が書かれたのだ、と思うと感動する。

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