2012年1月14日土曜日

いつかまた会えると思っていた

お母様を亡くされたと、筆まめな彼女、カーチャさんは暑中見舞いに書かれていた。
「大好きな母が亡くなり」と。

昨年末に喪中欠礼をいただいていたので、松の内が明けてから、つまり今週になって寒中お見舞いを書き送った。
黒田龍之助先生がもうすぐ新著を出されること、今度は正真正銘ロシア語の、しかも文法の本だから、楽しみですね。
たぶんそんなことを、私は書いた。

今日届いたグレーの地のはがきが、まさかまさか。
「黒田先生のご本を見ることなく急に逝ってしまいました」
と、弟さんが一筆添えていた。

カーチャさんは私よりも古い黒田先生の教え子。
代々木のM研究所のときからというから、おそらく黒田先生の最初の生徒さんの一人。

高く、しかしおっとりした、育ちのよさを感じさせるカーチャさんの声が、耳に残る。
カーチャさん、どうしてそんなに早く逝ってしまったの?

何度か一緒にコンサートに行ったが、なかでもカーチャさんが誘ってくださって行った、国分寺の教会でのカウンターテナーのコンサートが思い出深い。
あのとき英語を美しいと生まれて初めて感じた。

また一緒に聴きに行けると思っていた。
まだまだ何度でも会えると思っていた。
もっともっとお話しできると思っていた。

淡々と思いだせるようになったら、書こうと思う。
もっといろいろと。

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