2013年2月3日日曜日

作家とサッカーその2カレル・チャペック

主人公は城の伯爵に雇われている家庭教師のオルガ。
オルガが教えている伯爵令嬢マリーは出来は悪く、意地悪だ。
オルガは孤立無援。
息子のオスヴァルトには家庭教師ケネディーがついている。
乗馬・狩猟などとともに、この若いイギリス人教師はサッカーも教えているらしい。
オズヴァルトが蹴ったサッカーボールがオルガの白いスカートに命中する。
落ち込んでいたオルガは叱ることすらできずにむせび泣いてしまう。
何ともやりきれないシーンだ。
一思いに辞めて工場にでも勤めることができたら…。
悶々と悩む一介の勤め人オルガの姿は、ユーモア作家チャペックには珍しく鬱々としていている。

『百年文庫56祈』収録の『城の人々』石川達夫訳より。
1918~1920年頃の作品。

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