2012年4月5日木曜日

そこを右に曲がって

ついつい観てしまう監督作品
*アキ・カウリスマキ(お帰りなさい!でも、“ロケンロール”が今回観られないよ)
*ダルデンヌ兄弟
*エミール・クストリッツァ
そして
*ケン・ローチ

なので、「ルート・アイリッシュ」も、初日初回は外したが、オンライン予約で観に行った。

…そうきたか。
「明日へのチケット」「エリックを探して」や、オムニバスでサッカーものへの傾斜を見せてくれ、さわやかハッピーエンド路線が定番になりつつあるようにも思えたが、重くて後味悪い、本来のローチ節に戻っている。

そう。
「ナビゲーター」以来の、“やな感じ”のラストだ。

ローチはとても偉い監督だとは思うが、以前からひっかかってしかたないのは、弱き者が不公正な扱いに対して怒るときに、割といきなり超法規的な手段に突っ走るケースが多いことだ。
ちょっと待ってちょうだい。
もっと頭を使えないものなのか?
そんなに法は使えないものなのか?

今度の「ルート・アイリッシュ」も、非合法な復讐で終わっていて、しかもそれじゃあ自分を傷つけ、且つ直接あまり関係のない人まで巻き込んで、結局本質に迫ることなく果ててしまったじゃないか、と(そういう虚しさを示したかったのか?)釈然とせずに終わったのだった。
ローチならではの、いわゆる佳作ではあるが。

インマヌエル・カントが『永遠平和のために』で述べたように、軍隊とは人間性を破壊するものである。

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