2012年3月14日水曜日

寂しさに宿を立ち出でて

岩波ホールで平日限定、16:55から上映している「世界の夜明けから夕暮れまで」

若干看板に偽りあり、と言えようか。

まず、「世界の」の銘打つには、東京・北京・モスクワ・キエフ・ミンスクの5都市であって、地域的にかなり偏りがある。
(ポーランド国立ウッチ映画大学の企画であり、「ウッチの夜明けから夕暮れまで」というドキュメンタリー映画が先行している。)

あと、厳密には「夜明けから夕暮れまで」を撮っていない作品もある(キエフ編)。

ではあるが、まあ観ていて飽きることはなかった。
おもしろかった。

一番気に入ったのはキエフ編だけど、この中で一番型破りで(上に書いたように、夜明けや夕暮れを撮っているわけではなく、昼間のドニエプル・クルーズの船上の人たちの様子を映している)、且つ私にとっては2007年夏の思い出が懐かしくなったから、である。

2007年8月31日ドニエプル・クルーズで撮った写真


ミンスク編の冒頭とラストに現れる「公園のニンジャたち」は、「Life in a day 地球上のある一日の物語」のロシアの人が撮った動画みたいだった。
戦勝広場での衛兵交代、髪に白い大きなリボンをつけた女性兵士もいるんだなあ。
こういう衛兵って、美形だと決まっているのかと思っていたけれど…。
(モスクワの無名兵士の墓の衛兵については、2010年に行った時、ガイドさんから、「必ずスラヴ系の美男子」だと説明を受けた。)

北京編でも天安門前の衛兵交代があって、実はこういう映像は“我が町”ものの定番なのかもしれない。


東京編に関しては、東京に生まれ育って今も東京在住の私でもなかなか意識してこういう風景を観てこなかった、というものが撮られていておもしろかった。
ラジオ体操なんて、今どきやっていますか??
8月15日の靖国神社の喧騒も、今まで敢えて観たことはなかったし。
私にとってはかなり非日常の光景。
非日常であるゆえに映像としておもしろいものになっているのは事実だ。

どれもそれぞれの視点、それぞれの風景、それぞれの色彩、でありながら、モスクワ・キエフ・ミンスクは、どこか「いずこも同じ」雰囲気があって、やっぱり“3兄弟”っぽく見えてしまう。

この5都市以外のもどんどん作って欲しい。

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