綴りどおりだとロドチェンコだが、ロトチェンコという表記が定着しているのだろうか。やや迷うが。
ワタリウム美術館のロトチェンコのプロダクト・デザイン展は、「ロトチェンコ・ルーム・プロジェクト」によって再制作された家具・食器・衣服の展示が中心で、ロトチェンコのデザインの労働者クラブのテーブルと椅子(一体化している)で、これまたロトチェンコデザインのカップとお皿でお茶とお菓子をいただくなんてことまでできて、楽しかった。
ステパノヴァがデザインし、日本で再制作された作業着も、当時のソ連のものより現代の日本の生地(フェルトだったか)を使っているので、なかなか着心地もよさそうで、大変心惹かれたものだ(値段はかなり高価になりそうで、実はちっともプロレタリアチックではなさそうだったが)。
庭園美術館のロトチェンコ+ステパーノワ ロシア構成主義のまなざし展は、それよりおとなしめの企画で、プーシキン美術館所蔵の作品だった。
今見ても色あせぬ構成主義、ロシア・アヴァンギャルドの品々にときめいた。
この他にも、ロシア・アヴァンギャルドはたびたび展覧会が企画されているので、ロトチェンコの作品は割と身近に感じられる。
ほんとは凄い天才なんだけど。
3月2日からギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で催されている「ロトチェンコ 彗星のごとく、ロシア・アヴァンギャルドの寵児」も観に行ってきた(オデッサ・コスモス参照)。
孫であるアレクサンドル・ラヴレンチェフ氏所蔵の作品で、ポスター、原画、写真など平面作品のみ。
お馴染の作品が多いが、いつ観ても新鮮、とお世辞でなく思える。
アラビア語にラクダの絵のレジノトレスト(ゴム会社)の“最上のオーバーシューズ”の宣伝ポスターが懐かしい。
私はこれのマグネットを持っている。
それと、「夏、スポーツ、散歩、自然散策、クラブ」(本の表紙)。
写真がサッカーシーンだった。
ストライプの(モノクロなので色はわからないが)、トミ・トムスクみたいなユニフォームだ。
行列してユニクロに行くより、ロトチェンコを観た方が楽しいのに。
思い出すのは、メーリニコフ展だ。
感動して、すぐ公衆電話からリューダさんに架けて、
「凄いんだから!リューダさん、絶対観るべき!」
と叫んでしまった。
リューダさんはご覧になって、「教えてくださってありがとうございます」とおっしゃってくださった。
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