2013年4月12日金曜日

パーヴェル・アンドレエヴィチ、職業を替える

私が最も使いこんだ教科書はハヴローニナの«Говорите по-русски»で、手持ちのものは「モスクワ1993年」とある。

ソ連は解体していたものの、教科書の中身はまだまだソヴィエトチックで、レニングラードも健在だ。
何年も授業で使ううちに、改訂版ができて、レニングラードは当然サンクト=ペテルブルグに、СССРはРоссияに読み替え、あるいは一時ものの値段でカペイカをルーブルに修正したりなど、多少アップトゥデートが図られたりもしていたが、教科書の内容としては非常によく出来たものなので、長きにわたって使われてきたのだった。
(かつてのクラスメイトは留学先で「あなたのすばらしいロシア語は何で習ったの?」と尋ねられ、ハヴローニナだと言うと納得されたと言う。)

かつ、いろいろな言語の版ができている。
元々はロシア語→英語のものなのだろう。
先生からいただいた音声教材(CDです)では、手紙の書き方の課を聞くと、宛先がジョンだったか、英語の人名になっている。日本語版ではシローくんなのだが。
ソウルに行った時、本屋さんで韓国語版のハヴローニナを見つけて感動したが、ジョンでもシローでもなく、当然ながら韓国名になっていた。(←ただし、これは海賊版だったかもしれない。)

そんなハヴローニナのテキストは、その後も改訂を続けていたようだ。
今日目にした2009年版の英語版、第1課を読んで、韓国名のハヴローニナをみつけたとき以上の驚愕を味わった。

私の持っている93年版では

С детства я интересовался химией, поэтому после окончания школы я поступил в университет, на химический факультет. Пять лет назад я окончил университет и поступил работать на завод. Я химик, работаю в лаборатории.

子どものころから化学に惹かれ、大学は化学の学部に進み、卒業後は工場の研究所に就職、現在は研究所で化学者として働いている、という設定。
理系重視のソヴィエトの香りがしていましたのにね。

それが2009年版では、

С детства я интересовался иностранными языками, поэтому после окончания шклоы я поступил в университет на филолочический факультет. Там я изучал английский, немецеий и шведский языки.

とまあ、こんな具合。
主人公のパーヴェル・アンドレエヴィチ、姓はベローフさんは、幼少のころから外国語に関心を持っていたので大学では英語・ドイツ語・スウェーデン語を学んだという。
大学を卒業すると、ベローフさんは通訳となって商社に勤める。
さすが、今どきのロシア人!

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