2011年11月20日日曜日

小さな会場に巨大なチェブ

数年ぶりにロシアアニメーションフェスティバルに。
以前は新橋のスペースFS汐留(旧徳間ホール)で、整理番号の抽選に当たってチェブのぬいぐるみ(小)二つなどをいただいたのだった。

今回はオーディトリウム渋谷。
居心地いいけど、小さい。
こんなに小さい会場だなんて、応募は9000人だったというのに!

とにかく運よくご招待に与り、17:30からの回を観に行くことになっていたのです。
が、この日は遠方から車で移動しなければならず、予定では2時間前に東京に戻ってくることになっていたのだけれど、案の定途中渋滞があり、気が気でなかった・・・が、4時半には会場に着くことができ、雨に濡れ、大荷物を持って、受け付け開始を待つこと30分。

第一回が終了して、中に人が出てきて、みやさんを見かける。
「すばらしかったですよ」とおっしゃり、しかしご自宅でお客様がお待ちとのことで足早にお帰りになったのでした。
その他には知り合いは見かけず。

第二回のプログラムは
*「ヴァシリョク」«Василёк»
ステラ・アリスタケソーワ監督1973年ソ連10分
ソ連のアニメには珍しく安野光雅風の色合いの背景。
カチャーノフの「手紙」の母・子・父関係がここでは祖母・孫・祖父になっているかのような。
ただ、この作品には戦没者の追悼のトーンが色濃く、それだけに切ない。
この子は両親がいるから、まだまだ恵まれてはいるのだけれど。

*「イワンのばか」«ПРО ИВАНА-ДУРАКА»
ミハイル・アルダーシン監督2004年ロシア14分
これはピロット・スタジオの「宝の山(Гора самоцветов)」シリーズの一つで、
По мотивам русской сказки (Ярославль)
とあるので、ヤロスラーヴリの民話。
(ただ、冒頭のご当地紹介のクレイアニメでは、ヤロスラーヴリの紹介と言うよりロシアの紹介になっていた(モスクワクレムリンなど)ように記憶している。)
レフ・トルストイの「イワンのばか」とはちょっと違って、山羊や犬や熊のキャラクターが愉快、動物が大活躍。
とにかく、この「宝の山」シリーズは日本で日の目をみてほしいな。
以前ラピュタで観た際も無字幕で(民話・伝説なので、なんとか想像でストーリーは追えたが・・・)、今回は児島宏子さんのヴォイスオーバーの同時通訳。
DVD発売を実現して欲しい、できれば日本語字幕付きがいいけれど、無理なら解説文を入れてくれれば無字幕でも何とかなるのでは?

*「クリスマス」«Рождество»
ミハイル・アルダーシン監督1996年ロシア13分
静かで平和な降誕を祝う作品で、これは宗派に関係なく感動できるものではないだろうか。
教会の皆さんと一緒に観る機会を持ちたい。
マリヤが素朴な村娘、ヨセフはやや老けた大工のおっちゃん、天使は世話好きの若者。
動物キャラも味わい深い。
ベートーヴェンの7番がクリスマス・ミュージックに使われるとは意外な。

*「ペーパーカッティング」«БУМАЖНЫЕ УЗОРЫ»
ミハイル・トゥメーリャ監督2001年ロシア8分
スーズダリのスタジオで制作されたのでロシアアニメとなっているけれど、トゥメーリャさんはベラルーシ人で、この切り紙細工もベラルーシの伝統芸で、嫁探しのストーリーもベラルーシの民話ではないかと。
展開が速すぎて、あれよあれよと言う間に終わってしまう、宴会芸のようなおしゃれで豪華でめでたい作品。
しかしドキュメンタリーを入れながら、なかなかに高度なテクを惜しげもなく披露していてひたすら感心。

*「チェブラーシカ」第一話「わにのゲーナ」
ロマン・カチャーノフ監督ソ連1969年20分

*「チェブラーシカ」第一話「わにのゲーナ」
中村誠監督2010年日本20分
初公開の銀残し版。暗いところはかなり黒っぽく、明るいところは随分白っぽい。

上映後、会場にはスペシャルゲスト。
もちろんチェブだけど、なんか巨大だった。
動くのもやっとという感じ。



この他の写真はSkydriveに。

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