シャフナザーロフは現モスフィルム所長だが、某日本人評論家に一見似ているような面構えだ。
(アルメニア人である。)
斜に構えたプロフィールで映っていることが多いが、実際の作風もそんな風にはぐらかしやおとぼけを得意とする。
一番有名なのは「ゼロ・シティ」なのだろうが、率直に言ってこの作品はあまり好きになれない。
しかしそれなりに日本でも人気のある作品だ。
あと「死という名の騎士」(「蒼ざめた馬」)も結局テロリズム肯定のようで好きではない(と言いつつ2回観ることになってしまった)。
けれど、2010年の映画祭でまとめて観た作品群「ジャズメン」「失われた帝国」「クリエール(メッセンジャーボーイ)」「六号室」で大いに観なおした。
「ゼロ・シティ」と「死という名の騎士」以外では素敵な作品を撮っているではないか。
今回のシャフナザーロフ映画祭Ⅱに行ってきて、シャフナザーロフの才能を再確認した。
私のお気に入りのアレクサンドル・パンクラトフ=チョールヌィさんが出演する「ガーグラの冬の夜」。
冒頭の3分余りのタップシーンに圧倒させられる。
こちらで85分全部観られるようだが、まずは冒頭の4分弱の部分だけでもご覧になってくださいませ。
あとラストの10分ですね。
若い時のベグロフ役の、とんでもなく足が長~いダンサーは誰?!
多少ネタばれになってしまいますが、タップの名人のチョールヌィさんは、とても抑えた演技だ。
「ジャズメン」のときは芸人ぶりをいかんなく発揮していたのだが。
アメリカの映画だと、ハートウォーミングでフショーハラショーに終わるのだろうけれど、そこはシャフナザーロフ、ぐっと余韻のある味わい深い話にしている。
「アメリカの娘」の方は、まだマシコフがロシアのアントニオ・バンデラスを気取る前の、田舎丸出しロシア人を堂々と演じていた頃の映画であった。
0 件のコメント:
コメントを投稿