2010年12月16日木曜日

ナホートカ、ナホートカ、サーシェンカ!!!

『ブルガーコフ作品集』文化科学高等研究院2010年10月刊を読み進めています。
前述しましたが、『偽善者たちのカバラ』は、ベリャコーヴィチ演出の「モリエール」が思い出されてとても懐かしかった!
モワロン役の若い男優(名前を失念)がなかなかよかった。

そしてさらに読んでいくと、『巨匠とマルガリータ 初期稿より(断片)』になる。
P197ですよ、サーシャ!
「ほほう……」ていねいかつ愛想よくベルリオーズが言った。「これはこれは、お目にかかれて光栄ですが―さだめし、あなたは冶金学がご専門では?」
「ちがいま―す。」ドイツ人は首を横に振った。「ワタシは白魔術がセンモンなのです。」
ふたりの作家はベンチに座ったり立ったりを繰り返していたが、ドイツ人は立ったままだった。
「なんとチタンの専門家がすべてをメチャメチャにしたものですから、それで。」ドイツ人は語り続けた。[……]
丸ノ内線の中で読んでいて、「さあしゃあああああ、チタンよ、チタンがロシア文学の中に出てきたわよ!」と叫びたくなる衝動を、私はようやくのところで抑制したのでした。

しかし、『M&M』に出てくるとは。
サーシャの希求していた、非鉄金属の出てくるロシア文学。
意外と大物だったな。
20世紀最大の、とよく形容される、ブルガーコフの遺作にして代表作。
でも、これまで読んだ『M&M』にもこの箇所あったのだろうか?
それとも初期稿だからか?

非鉄金属とロシア文学をこよなく愛するサーシャ(黒田龍之助先生の新著『ロシア語の余白』)に贈る、非鉄金属ロシア文学アンソロジー。

0 件のコメント:

コメントを投稿