世界を知りたい！ リスト

これもWindows Liveのリストからのお引っ越し記事です。

1.現代アメリカのキーワード (中公新書)

著者: 矢口 祐人　他

ISBN: 4121018575

 

アメリカについての情報はロシアやイランとは比較にならないほど多い。

でも実は一面的なのかも。

「キーワード」には「キリスト教右派」「ヴァイアグラ」「グアンタナモ」といった少々耳にしたことのあるものも、全然聞いたことないというものも。

もちろん新書1冊に何でも詰め込めるわけではなく、地図で示してほしい事項があるし、国際人権規約・国際刑事裁判所設置規定（ローマ規定）・京都議定書など多くの国際条約に未批准なことも指摘してほしかったとか、言いたいことは多少あるけど。

 

2.シーア派―台頭するイスラーム少数派 (中公新書)

著者: 桜井 啓子

ISBN: 4121018664

 

私の友人でも、いまだに、「シーア派＝過激」「スンニー派＝穏健」みたいに思っている人がいる。

イランびいきの私にしてみれば、「サウジアラビアの方がよっぽど抑圧的でしょ！」と言いたくもなる。

イラン革命後初の世俗出身大統領アフマドネジャドの下で、イランはどこへ向かうのか、を考える上でも、必読の書でありましょう。

イラン以外のシーア派の動きにも目配りしています。

 

3.ハワイの歴史と文化―悲劇と誇りのモザイクの中で (中公新書)

著者: 矢口 祐人

ISBN: 4121016440

 

ハワイには行ったことがなく、当面行くつもりもありません。が、学生の引率で行かざるを得ない友人が「ハワイはつまらない」と嘆いていたので薦めたら、喜ばれました。著者には物事を難しい言葉を使わずに的確にわかりやすく説明する才能があります。

 

4.レバノンの歴史―フェニキア人の時代からハリーリ暗殺まで (世界歴史叢書)

著者: 堀口 松城

ISBN: 4750322318

 

アラブの人に言わせれば、エジプトにピラミッドあり、イラクに詩人あり、そしてレバノンに美女あり、だそうです。

が、男性も魅力的ですよ。

映画もおもしろいです。

そんなレバノンの歴史、実に複雑なのですが、コンパクトにしてまあまあわかりやすく書かれている本があるなんて、日本の出版界もなかなかのものだと思いました。

 

5.反ファシズムの危機―現代イタリアの修正主義

著者: セルジョ ルッツァット

ISBN: 4000244329

 

映画「ライフ・イズ・ビューティフル」は観ていて妙な居心地の悪さを感じた。

それがなぜなのかわからないでいたけれど、ポスト反ファシストたちはファシズムを滑稽なものと描くことでその負のインパクトを減殺しようとしていると指摘し、「相対主義の名を借りた冷笑主義的論法による修正主義史観」に陥る危険性を喚起するこの本を読んでみて、かの居心地の悪さは、イタリア人の多くが反ファシズムもネオ・ファシズムも「どっちもどっち」的な感覚でいることを、ベニーニが体現してみせたのを嗅ぎ取ったからではないかと思うようになりました。

6.恋するアラブ人

著者: 師岡 カリーマ・エルサムニー

ISBN: 4560027722

 

TVアラビア語講座の先生は、米原万里の向うを張るような鋭い舌鋒の持ち主だった！

必見必読のアラブ入門書！

7.イスラームから考える

著者: 師岡 カリーマ・エルサムニー

ISBN: 4560031827

 

同上

 

8.東方のドイツ人たち―二つの世紀を生きたドイツ人たちの証言集
著者：平野 洋

ISBN: 9784768469378

 

アレクサンドル・メルケル及びその父親のヴァシリーさんのインタビューを訳していて、無性に読み直したくなった。

故国と祖国と現に生きている社会との絡み合いに、胸を突かれる…。