「黄色い星の子供たち」
これまでフランスは、ユダヤ人迫害などはフランスを占領していたドイツがやったこと、フランス人はレジスタンスをしていたんだ、というスタンスだった。
が、勿論そういう人(レジスタンスをした人、それに協力した人)は少なからずいたのだけれど、そうではない人たちも普通にたくさんいたのだ、ということに正面から向き合うようになったのは、そう昔のことではない。
ユダヤ弾圧を子供の視点で描く映画。
フランスに限らず挙げていけば、
「コルチャック先生」「さよなら子供たち」「サンドイッチの年」「小さな赤いビー玉」「鯨の中のジョナ」「ふたりのトスカーナ」「僕を愛した二つの国 ヨーロッパ・ヨーロッパ」「リユニオン 再会」「灰の記憶」「縞模様のパジャマの少年」、酷い駄作だったが「ライフ・イズ・ビューティフル」等々。
これらと比べると、この映画の子どもたちは、個性が弱いというか印象が薄い。
あんまり悪ガキじゃなくて。
絶滅収容所、ガス室へと運ばれる列車の中に積み込まれるに際しても、子どものいたいけな可愛らしさを強調するという演出ではなかった。
でも、シモンくんがヴォロージャ・ブィストロフ風で好きでしたよ。
それでもこの映画は、「フランス人は、そんな中でもユダヤ人をかばったのですよ」とすごく強調したいようにも見えた。
何とか逃がそうとする人、アパート管理人の女性、情報を漏らす警官、水を恵み手紙を預かる消防士たち。
隣人たちの窮地に際し、良心を貫く人、我関せずの人、そして卑怯者。
その差はほんのちょっとなのだ。
『思いやる勇気―ユダヤ人をホロコーストから救った人びと』によれば。
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